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信州の静かな里山 長野県 鹿教湯温泉 斎藤ホテル

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    2024/01/14
  • 【新レストラン連載コラム⑧】レストランスタッフと地元のワイナリー巡り

    2024/01/12

     

    連載第8回目の今回は、「Restaurant渓」の大きな柱のひとつ、地元産ワインについてお話します。

     

    ここはワインの名産地

    鹿教湯温泉の周辺地域は、降水量が少なく日照時間が長い気候と土壌の質が適していることで、ワイン用ブドウの生産適地になっていて、ここ十年くらいで急速に栽培が盛んになりました。

     

    特に「千曲川ワインバレー」と呼ばれる、千曲川の河岸段丘になっている上田・東御・小諸地域にワイナリーが集中し、高品質のワインを産出するようになってきています。2022年の日本ワインコンクールの「欧州系ブドウ品種」赤ワイン部門で金賞をとった7銘柄のうち、なんと5銘柄がこの地域のワインでした。

     

    いろいろな経歴の作り手がこの地域に移り住んで、あらたなワインづくりにチャレンジを重ねているところです。多くが小規模ワイナリーで、個性的なワインが続々と誕生しています。

     

    この地域に限らず長野県全域を見渡しても高品質ワインの生産は加速しており、前述のコンクールで長野県産ワインの占める割合が大変高くなっています。そういった背景もあって、新レストランではワインをすべて長野県産に絞り込んで提供することとしました。

     

    そこで、オープン前にレストランのスタッフといっしょに研修をかねて周辺のワイナリー巡りをしてきました。朝と夜のレストラン営業の合間を縫った、総勢8人のワインをめぐる小旅行です。

     

    スタッフとともにワイナリーを巡る

     

    ◆シャトー・メルシャン椀子(まりこ)ワイナリー(上田市)

    最初に訪れたのは上田市丸子地域にある「シャトー・メルシャン椀子ワイナリー」。鹿教湯温泉に一番近いワイナリーで、上田市に合併する前の丸子町時代から応援しているワイナリーです。何年も前からお客様を連れてブトウの収穫体験などをしています。今回のレストランでもっともお勧めするワインです。小規模なワイナリーが中心のこの地域のなかで最大規模を誇っており、ワインの生産過程が見学できるようになっていて、スタッフの勉強にはもってこいです。

     

    このワイナリーの「シラー」が前述のワインコンクールで金賞を受賞しています。日本でシラー種ワインは非常に珍しいです。

     

    金賞を受賞した「椀子シラー」。

     

    少しだけブトウの味を確かめさせてもらいました。皆の感想は「思っているより甘くておいしい!!」です。そうなんです、糖分を発酵でアルコールに変化させるため、ワイン用のブトウは食用よりも糖度が高くて甘いのです。出来上がるワインは渋いのに不思議ですね。

    ワインができる土壌と風、空気感を全身で感じることができました。この体験がお客様への良いサービスへつながると信じています。

     

    ◆はすみふぁーむ(東御市)

    次に向かったのは、上田市のお隣にある東御市の「はすみふぁーむ」さん。
    「日本一小さなワイナリーが世界を目指す」をスローガンにしたワイナリーは2010年に設立されました。代表の蓮見喜昭さんは10代で渡米し、その後も世界を放浪するなどユニークな経歴を持った方です。一番お忙しい時間に訪ねましたが丁寧に説明してくれました。

     

    ピノ・ノワールが今回のレストランのペアリグワインの一つに入っています。梅の香りがほのかにして懐かしさを感じさせるワインです。

     

     

    ◆Rue de Vin(リュードヴァン/東御市)

    大人気ワイナリーの一つで、2021年度にリリースされたものは仕入れが間に合わないほどでした。2022年リリース分はしっかり確保することができました。

     

    真剣に試飲しています。

     

    運転手の私は飲めなかったので、マスコットの黒猫ちゃんと戯れていました。

     

    ◆《番外編》アトリエ・ド・フロマージュ(東御市)

    ワイナリー巡り番外編として東御市のチーズ工房にも立ち寄りました。ここ「アトリエ・ド・フロマージュ」でつくられたブルーチーズを、「Restaurant渓」の料理の素材として使っています。1982年に創業し、世界のチーズコンクールで何度も受賞している、実力のあるチーズ工房です。特に青かびタイプの「ブルーチーズ」「翡翠」が抜きん出ています。

     

    ◆ドメーヌ・フジタ(小諸市)

    2021年にオープンしたワイナリーで、代表の藤田正人さんは元高校の教員です。2016年から小諸市でワイン用ブドウの栽培に従事されてきました。標高850~900mの荒地を開墾し、とっても眺めが良い高原の住宅街にワイナリーが存在しています。

     

    ……今回レストランスタッフと回ったワイナリーはほんの一部です。この地にはたくさんのワイナリーが存在し、その数は年々増加しています。作り手は個性的なワインを生産しようと日々研鑽を重ねています。私たちも一生懸命情報を入手して、良い状態でお客様へ提供できるように日々勉強しなくてはならないと、決意を新たにしました。

     

    【リンク】

    ◆日本ワインコンクール2022 受賞ワインリスト http://chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.pref.yamanashi.jp/jwine/2022fol/02-01%202022result%20VR.pdf

    ◆シャトー・メルシャン椀子ワイナリー https://www.chateaumercian.com/winery/mariko/

    ◆はすみふぁーむ http://hasumifarm.com/

    ◆Rue de Vin https://ruedevin.jp/

    ◆アトリエ・ド・フロマージュ https://www.a-fromage.co.jp/

    ◆ドメーヌ・フジタ https://www.nukajiggfarm.com/index.html

     

    →Vol.9は1/26公開予定です。お楽しみに!

  • 斎藤ホテルのお餅つき動画(YouTube)

    2024/01/06
  • 【新レストラン連載コラム⑦】トマトとの出会い

    2023/12/30

     

    オープン2年目に入った「Restaurant渓」に込めた思いを綴るシリーズの第7回目は、さまざまな地元食材の中からとっておきのトマトについてご紹介したいと思います。

     

    工夫されつくされているトマト

    トマトは家庭菜園で簡単に栽培できます。ポットに苗を植えてベランダで手軽に栽培でき、そこそこの品質のものが素人でも収穫できます。トマトの品種や栽培方法はかなり研究されていて、ここ上田市のでもトマト栽培を手掛けている農家さんは多いです。実際に味わってみると、どのトマトもそれなりに味があり、美味しくないトマトを探すのに苦労するくらいです。スーパーでも果物のような甘いトマトは普通に売られています。

     

    ですので、なんとなくトマトについては工夫もされつくされ、今まで以上に美味しいトマトを地元で入手することは不可能だろうと考えていました。

     

    ところが、ちょうどレストランをオープンするタイミングで、とんでもないトマトに出会ってしまったのです。それもなんとレストランから2キロも離れていない場所で生産がはじまっていました。まさに「灯台下暗し」です。ある女性が思いもよらない方法でトマト生産をはじめていたのです。

     

    温泉旅館からエステと酵素風呂、そして……

    「かぐやふあーむ」のトマトを育てているビニールハウス前にて。

     

    その女性がトマトを栽培しはじめるまでの経緯がなんともドラマチック。彼女は鹿教湯温泉のすぐ隣の大塩温泉の旅館で、地元でも有名な美人3人姉妹の長女として育ちました。私の2歳年上で小学校・中学校が一緒です。

     

    大塩温泉の旅館を先代から引き継いだ後、紆余曲折を得て、整体の資格を取得した後、大塩温泉でエステ店を経営しはじめました。鄙びた田舎にいきなりエステのお店を建てたものですから、地元でもかなり驚かれました。地元をすこしでも盛り上げたいという気持ちが強かったのだと思います。

     

    私は腰が悪かったため彼女の整体にしばらく通っていました。整体の腕はとてもよくて、私のゆがんだ骨盤も数年かけて矯正してもらい、おかげマラソンやトライアスロンに出場できるまでになりました。

     

    そのエステでは整体とともに「酵素風呂」というものを導入していました。おがくずを酵素で発酵させてその熱で身体を温めるというものです。じんわりと芯まで身体が温まる酵素風呂はなかなか人気で、事業は軌道にのったかのように見えました。ところが、コロナによって経営が厳しくなってしまったのです。

     

    バイタリティーが生んだ破格なトマト

    「Restaurant渓」で提供している「かぐやふあーむ」のトマトを使った一皿。

     

    先が見えない状況と売上減少にだいぶ悩んだのでしょう。バイタリティーがあり事業センス抜群の彼女は知人の協力を得て、なんと、その発酵おがくずを使ってトマトを栽培しはじめたのです。それも完全無農薬。農業についてまったくの素人がハウスを建て、人を雇用し、1年を通じて安定して出荷できる環境までつくってしまったのです。彼女の決断の速さと実行力には本当に驚かされます。

     

    彼女を動かしている動機は「無農薬で美味しいトマトを通じて多くの方に健康を届けたい」という願いと、「地元をなんとか盛り上げたい」という切実な気持ちです。2歳年上の幼馴染のようなものですが、経営者として尊敬している人の一人です。

     

    もちろんトマトはずば抜けて甘く美味しい。お客様にはそのトマトの甘さや食感を純粋に楽しんでもらいたい。そして、背景にある彼女の想いを感じ取ってもらえると、さらにそのトマトが味わい深いものに感じてもらえるのではないかと思っています。

     

    Restaurant渓で彼女のトマトを味わっていただき、ご興味がある方は、整体や酵素風呂もぜひお試しください。より、コンディションがよくなること請け合いです。

     

     

    【リンク】大塩温泉と酵素の力で、主役級においしい 「かぐやふあーむ」のミニトマト(Restaurant渓 信州の“おもてなし”Blog)

    https://saito-kei.jp/news/page/2/

     

    →Vol.8は1/12公開予定です。お楽しみに!