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信州の静かな里山 長野県 鹿教湯温泉 斎藤ホテル

お知らせ

  • 社員6人での新規レストラン研修(2)

    2022/10/04

    洗練されたレストランが山の中に忽然と姿をあらわす

    そのレストランは富山の山奥に忽然と姿を現しました。木造建築で周辺と調和したセンスのよい建物が山の中腹に建っており、周辺には木々以外なにもない。到着するとすぐにパリッとしたシャツを着た若い女性スタッフがお出迎えしてくれました。へとへとになりながらも山奥のレストランにたどり着き、そこで思いもよらない歓待を受ける。昔読んだ宮沢賢治の短編、「注文の多い料理店」の世界です。 若くとても感じの良いスタッフの案内で恐る恐る建物に入ると、そこは大きな窓から渓谷の木漏れ日がさす明るいウエイティングルームでした。ゆったりとした木製のソファーに座り、木の良い香りがするおしぼりとハーブティーのサービスを受け、ここまでの道のりの疲れが消えていく心地よさです。 いよいよ食事の時間となり、重々しいドアを開けて、食事フロアに案内されました。渓谷が一望できる広々としたオープンキッチンの空間が目の前にひろがり、数人の若いスタッフがおそろいの装いをしてイキイキと働いています。案内された個室はスッキリとしたモダンな空間で、無垢の木の分厚いテーブルと曲線の美しい木製椅子が温かみを感じさせてくれます。 料理はフレンチのフルコース。人なつっこい笑顔の素敵なスタッフから料理や飲み物の説明を受けた後、料理がはじまりました。 コースの料理はすべて富山の素材を利用していて、味が良いのはもちろんだけれども、どれも驚くようなアイデアで五感を刺激する工夫のこめられた一皿になっています。槙の香り、様々な香辛料、鮮やかな色彩、大胆な味の変化がまるでジェットコースターに乗っているように目と舌を揺らしてきます。一緒にいった3人の料理人は「うーん」と唸って首をかしげています。どうやったらこの複雑な味を出せるのか驚きつつ、考え込んでいる様子でした。 さらにそれぞれの皿に合うような日本酒やワインをペアリングしてあり、富山のマリアージュを楽しめます。 料理のスタートからデザートまで3時間の長丁場でしたが、次々と現れる料理の刺激に圧倒され、あっという間に時間が過ぎてしまいました。  

    喧々諤々の帰路、ハプニングに遭遇

    帰り道は山道を避けて富山方面へ下り、日本海側を通るルートを選びました。車内では今後の料理の方針について6人で喧々諤々の議論を繰り広げながら帰途に就きました。信州らしさとはなにか、私たちの料理文化とはどんなものなのか、海がない信州のハンデをどう克服するのか、新レストランの強みは何か。素材の味を引き出すシンプルさと、料理の広がりを持たせる複雑さとのバランスをどうとるのか。議論はつきませんでした。 富山から新潟へと順調に高速道路を進んでいたその時、突然我々の後ろからサイレンを鳴らした一台のパトカーが迫ってきました。一瞬、なにか事故でもあったのかと思いましたが、なんとパトカーの目標は私たちの乗っている車でした。この時、慎重かつ運転上手な若者がハンドルを握っていたのですが少しだけスピードオーバーしていたようです。道路の脇に車を止められ、反則切符を切られました。車内での白熱の議論があだとなり会話に夢中で気が付くのが遅かったようです。 反則切符を切られて6人とも意気消沈。その後は静かに鹿教湯温泉へ帰りました。 L’évo | レヴォ:富山の奥懐・利賀村から発信する前衛的地方料理の進化 (levo.toyama.jp) 新規レストラン開業に向けて、着々と準備が進んでいます。  

    斎藤ホテルから見た鹿教湯温泉

    【レストラン渓】公式HPはこちらから https://saito-kei.jp/ 社員6人でのレストラン研修(2) 社員6人での新規レストラン研修(1) | お知らせ|長野県 鹿教湯温泉 斎藤ホテル (saito-hotel.co.jp)
  • 社員6人での新規レストラン研修(1)

    2022/09/17

    きっかけはあるコンサルタントからの情報

    斎藤ホテルでは2022年11月に新しいレストランの開業を予定しています。鹿教湯温泉や信州の風土を色濃く感じていただけるような、私たちの思いを反映したレストランにしようと、アイディアを詰め込んでいるところです。

    このプロジェクトのために、県内外の話題のレストランをスタッフとともに見学してきました。そのうちの1軒へ出向いた時のことをご紹介します。

    新規レストラン開業のための打ち合わせ会議のなかで、とある経営コンサルタントの方から、富山と岐阜との県境の山中に一人3万円のフルコースを出す秘境レストランがあるとの情報をいただきました。調べてみると、地元富山の食材に徹底的にこだわり、農家さんと契約した野菜や、ジビエなどを洗練された料理技法で提供している前衛的なレストランで、あえて不便な場所に構えて究極の地産地消を実現していました。斎藤ホテルの新レストランでは信州の風土、歴史、文化を洗練した料理として表現したいとの思いがあり、なにかピピっと共鳴するものがありました。

    今回の斎藤ホテル新レストラン開業担当チームは全部で12人います。チームを2つに分けて早速体験してみることに決めました。

    グーグルマップで場所を調べてみると、鹿教湯温泉から車で片道4時間。岐阜県の高山を抜けていくルートが最短らしい。9月下旬、私のチームは厨房の板前さん3人とレストランマネージャー、広報担当と私を入れた合計6人のおじさんたちの小旅行がスタートしました。

     

    目の前に倒木が……!

    余裕を見て6時頃に鹿教湯温泉を出発。岐阜県高山までは順調に進みました。高山で30分ほど市内観光をして、いよいよ岐阜県と富山県の県境の峠を越える道に差しかかります。運転担当は私です。富山へ近づくにしたがって、だんだんと道が狭くなっていき、気が付いたらすれ違いもできないようなほどの道を走っていました。おかしいなと思いながらもグーグルマップの案内にしたがってさらに進んでいくと、山はどんどん深くなっていき、林道は舗装されていない砂利道に変わっていきました。さらに進むと、なんと倒木が道路をふさいでいるではありませんか。周りは人家もない奥深い山中、しかも道路の脇は崖になっていて一歩間違えれば車ごと転落しかねない。車内からは「社長大丈夫ですか? 引き返しましょうよ」と声が聞こえる。しかし、ここで引き返すと12時の予約に間に合わない。携帯電波も通じないという二重のピンチ。私はどうしようかと内心かなり焦っていましたが、「まあ、大丈夫だよ。こういった道には昔から慣れてるから」と強気を装い、2人がかりで倒木をどけて前へ進むことに。その後も砂利の林道を2時間ほど走り、峠を3つほど超えて、出発から6時間後、ようやく目的地へ到着しました。ヒヤヒヤ運転の連続で、もうぐったりです。

    ※ちなみに、違う道を使えばそれほど苦労なく行くことができます。レストランのホームページにもその旨、書いてあります。グーグルマップに頼りきった私たちのミスでした。

    倒木が行く手を塞ぎます

    (2)へ続きます。

    社員6人での新規レストラン研修(2) | お知らせ|長野県 鹿教湯温泉 斎藤ホテル (saito-hotel.co.jp)

    【レストラン渓】11月オープン予定

    https://saito-kei.jp/

  • 斎藤ホテルの「食」ビュッフェスタイルに込めた6つの工夫

    2022/08/14

    温泉旅館に泊まる時は、食事が大きな楽しみの一つ。

    斎藤ホテルでは26年前のリニューアルの時から、ビュッフェスタイルでお食事を提供しています。当時の温泉旅館は食事処や畳の宴会場、お部屋への提供が当たり前で、朝夕ともビュッフェスタイルという旅館はほとんどありませんでした。かなり珍しいケースです。

    好きなものを好きなだけ食べられるビュッフェスタイルは、食事を選べるワクワク感があり、それ自体が魅力的なのですが、思い切って変えたのにはそれだけではない理由がありました。

    斎藤ホテルには長期滞在されるお客様がたくさんいらっしゃいます。何日も滞在していると、同じメニューではお客様は飽きてしまいます。また一律に提供するスタイルだと、食の好みが様々なお客様の要望に対応することができません。ビュッフェスタイルであれば料理の種類をバラエティ豊かに提供でき、お客様は好みのものを選んでいただくことができるので、長期滞在には最適だと考えたのです。

    毎日食べても飽きがこないで、それでいてお子様やご高齢の方でも楽しめる斎藤ホテルのビュッフェメニューには、たくさんの知恵と工夫が込められています。そのなかで、主な工夫を6つ紹介させてください。

    ●和食・洋食・中華 毎日変わるメニュー

    提供する料理は和食、洋食、中華で、合わせて毎日40種類ほどが並びます。そのうち20種類ほどは毎日メニューを変えています。新しいメニューを考えるのはとても大変な作業なのですが、「寝る前に必ず料理の本や雑誌に目を通す」という勉強熱心な料理長が中心となって厨房全員で研究し、知恵を絞って考えることで多彩なメニューを実現しています。一生懸命考えた過去のメニューレシピは1000を超えています。

    中華料理 鶏肉の炒め物

    ●「ハレの食」と「ケの食」のバランス

    「ハレの食」とは、例えばお寿司やステーキ、手の込んだフランス料理など、祝いごとや特別の日に食べるような料理です。反対に「ケの食」とは家庭で食べるお惣菜のような料理。

    ハレの料理は印象が強く美味しさも際立つけれども、往々にして味が強いため、続けて食べ続けると飽きてしまいます。一方、お惣菜に代表されるようなケの料理は印象こそ薄いですが、毎日食していても身体に優しく飽きもきません。

    ハレのメニューだけでは食べる楽しみや刺激はあってもすぐに飽きてしまいます。かといって、ケのメニューだけだとせっかくの旅先で食べるには物足りない。この2つの要素をバランス良く提供していくことが、長く滞在されるお客様にも毎日の食事を楽しんでもらうための工夫の一つになります。

    「ケの食」カボチャの煮っころがし

    ●山のものと海のもの

    長野県は山に囲まれていて、盆地や高原で栽培される農作物は味が濃く地味豊かです。極力地元産のものを仕入れていて、郷土料理やお惣菜料理などをメニューの中心に据えて地域色を感じていただけるようにしています。

    一方で、お刺身をはじめとする海産物もメニューに組み込んでいます。

    お客様は長野県内の他に、隣県の山梨や岐阜、群馬といった海と接していない県からも多く訪れます。特に地元の長野県では海のものへの憧れもあり、旅館でお刺身を供することは一種の文化となっているようにも感じられます。お刺身は、長野県においては「ハレの食」となっているのです。

    山の中で刺身を提供することに否定的なお言葉をいただくこともありますが、そういった理由から海産物も積極的に提供するようにしています。なお、高速道路網や冷蔵技術が発達した現在では、長野県でも驚くほど鮮度のよい魚介類を簡単に仕入れることができます。

    鮎の開き

    ●既成品をなるべく使わず手作りで

    最近のレストランでは、コストや手間を削減するため、あらかじめ工場やセントラルキッチンで調理した食材や冷凍食品を使うケースが増えてきています。

    斎藤ホテルではなるべくそういった既製品を使わずに、現場で仕込みから手作りをするように心がけています。既製品はどうしても味が濃く単調になるため、毎日食べると飽きてしまうのがあまり使わない理由です。

    例えば、卵焼きやコロッケなど既製品が使われるケースが多いのですが、朝の卵焼きは、毎朝シェフが一つ一つ焼いていますし、お子様に人気のコロッケも、じゃがいもを蒸すところから手間をかけて作っています。

    シェフの手作りカツレツ

    ●甘味・辛味・酸味・苦み・鹹味・淡味の六味をバランスよく

    カレーなどの香辛料を使った辛い料理、酢の物などの酸っぱい料理、山菜の苦み、お豆腐などの淡い味、ごはんが進む塩味、ほっとする甘味……といった味の要素がまんべんなく楽しめるようにメニューを構成しています。味の要素が少しでもかたよると、不思議なもので毎日メニューを変えても「同じような料理」という印象をお客様に与えてしまいます。

    ●毎食15種類以上の野菜を使う

    健康のために野菜は欠かせません。たくさんおいしく食べていただきたいので、地元産の元気のいい野菜を中心に、毎食15種類以上の野菜が並ぶようにしています。

    サラダやお浸しなどで提供する野菜はもちろんのこと、お肉や魚料理の付け合わせの野菜も、メインとなる料理に負けないよう、旬のものや地物にこだわり、それを丁寧に切り分け、盛り付けしてあります。料理を取り分けるときに、ぜひ付け合わせの野菜を上手に手皿に盛り込んでみてください。野菜の魅力で食事の楽しみがアップすること請け合いです。

    ナスの煮びたし

    私たちの料理に込める工夫は、「美味しく、飽きない」が最大のテーマ。斎藤ホテルでは連泊して健康づくりをしていただく「現代の湯治場」を目指しています。ぜひ2泊、3泊して食事や温泉を心ゆくまで楽しんでください。

    【鹿教湯温泉 斎藤ホテル】公式HPはこちらから
    https://www.saito-hotel.co.jp/

  • 【プレスリリース】信州の名湯・鹿教湯温泉に新たな信州料理とワインを楽しむ『Restaurant 溪』2022年秋OPEN!!

    2022/02/21