この7月11日・20日に、「シャトー・メルシャン 椀子(まりこ) ワイナリー」とのコラボレーション企画を予定しています。
ワイナリーとのコラボレーション企画は、私が長年思い描いていた夢でした。1回目は2023年に小諸市のマンズワイン小諸ワイナリーとタッグを組み、おかげさまでお客様からたいへん好評をいただきました。2回目となる今回は、斎藤ホテルと同じ上田市内にあるシャトー・メルシャン 椀子 ワイナリーとのコラボレーションです。
上田市に世界レベルのワイナリーができた
2003年にメルシャン株式会社がこの地でワイン用ブトウを栽培しワインを醸造する計画を発表したときから、このワインと地元の食事を鹿教湯温泉で楽しんでいただくことができれば良いなあ、と妄想を膨らませていました。
椀子ワイナリーは、国産高級ワインブランドとして1970年に誕生した「シャトー・メルシャン」3つ目のワイナリーです。ワイン用ブドウの適地として選定されたのは上田市丸子地区陣場台地。ワイナリーの名は丸子町の古代名を冠しています。
2006年には、私も所属していた鹿教湯温泉の青年部がワイン用ブトウの収穫とランチ体験のツアーを企画したこともありました。数年間、秋の収穫シーズンには同様のツアーを開催してきましたが、人手や予算の問題で、2010年以降は休止となりました。
その間も椀子ワイナリーは製造努力により品質を向上させ、2011年には世界のトップワイナリー20に名前があがるようになりました。また醸造されるワインも日本のコンクールで毎年のように受賞するなど、世界品質のワインを生産し続けています。
また、この上田地域周辺では毎年のようにワイナリーができて、品質の高いワインを生産する一大産地に育っています。
高級ワインに引けを取らない料理がほしい
ワインのつくり手は努力と競争でしのぎを削り、日々努力をかさねているのに対して、それに見合う料理の提供は追いついているとは言えない状況が続いていました。ワイン産業の急激な立ち上がりに比して、料理文化の構築が追いついていなかったのです。
生産されるワインは高品質なものが多いため、料理やしつらえもそれに負けないクオリティが求められます。料理界に詳しい先輩によると、レストランで料理とワインを楽しむとなると値段は半分半分。料理は1万円を超えます。この地域で、この値段でワインと合う料理を出すレストランは存在していませんでした。
椀子ワイナリーができたときに、将来はそういったレストランが鹿教湯にあったらいいなと思っていましたが、1万円を超える料理の提供は雲を掴むような、私には関係ない世界の話だと思い込んでいました。当時は他に優先する課題があって、とてもそんなことを考えている余裕もなかったのです。
ピンチをチャンスに変えて夢を実現
その後も、斎藤ホテルとして独自に椀子ワイナリーの収穫体験ツアーなどを行い、細々と関係を維持してきました。
転機は2020年に始まったコロナ禍でした。もちろん経営は大きな打撃を受けましたが、同時に将来を考え、計画を練る時間を与えてくれました。コロナはいつか収束する。今こそその時に向けての投資のチャンスだと、勇気を振り絞り「Restaurant溪」を開業しました。
今回のツアーは、斎藤駕籠屋のバスを利用します。お客様を上田駅から椀子ワイナリーへお連れしてワイナリーとブドウ畑を見学していただき、それからRestaurant溪でお食事を楽しんでいただく流れです。
椀子ワイナリーでは、ブドウ畑や製造工場を工場長自ら案内してくれます。気候の特徴や品種、栽培方法、醸造方法などのレクチャーは、ワインについて全く知識のない方でも楽しめる内容になっています。数種類のワインの試飲もご用意しています。その後バスで移動し、Restaurant溪にて今回のために特別に組んだコースを味わっていただくディナータイムへ。ペアリングされるのはもちろん椀子ワイナリーで生産されたワインです。
地元の素材を使った“信州フレンチ”とワインを、地元の景色と現代のしつらえのなかで楽しむ。まさに自分が思い描いていた夢を、お客様に体験していただけるようになりました。
20年の構想が実ったツアーですので、多くの方に参加していただければ幸いです。
*イベント詳細のお問い合わせ、お申し込みはお電話にてお願いいたします。電話0268-44-2211(受付時間9:30~18:00)
*定員に達した場合はご容赦ください。次の機会をお待ちいただけますようお願い申し上げます。