MESSAGE〜メッセージ〜

人との繫がりを
もっとも価値のあるものとし、
400年以上続く湯治場で、
新しい心と体の健康づくりを
追求していきます。
代表取締役社長 斎藤宗治
MESSAGE 〜メッセージ〜

はじめに。

私には、4人の子どもがいます。
一番上の子は20代後半、一番下の子は高校生になりました。

子育てを長年していると、どうしても入社してくる新入社員や面接に来られる若い方が、自分の子どもと重なってしまいます。

「入社したばかりで、なかなか適応できなくて」という人がいると本当に心配になってしまいます。
自分の子どもだったら、と重なってしまって。

「おお、大丈夫か君」
「社会で生きていけんのか」と。
心配ですね。

意外に話してみると、本人はそこまで気苦労しているような雰囲気ではありませんでしたけど。

今回、自分の子どもたちに伝えるように、皆さんに私の様々な想いや、今まで歩んできたことを文章にいたしました。

皆さんが、これから就職活動や人生を歩んで行く中で、何かのヒントやキッカケになってくれたら大変嬉しいです。

斎藤旅館から
斎藤ホテルへ

小さい頃、父にマイクロバスの隣に乗せられて、お客様を迎えにいったりしていた記憶もある、斎藤旅館。

斎藤ホテルの前身となる斎藤旅館は、鹿教湯温泉で400年以上継承されてきた旅館でした。

今から約30年前、私の父や祖父の時代ですが、明治や昭和初期に建てられた建物の老朽化によって、建て替えの必要な大きな転換期を迎えることになりました。
私がまだ学生の時ですね。

当時先代は、鹿教湯の湯治場という特徴を活かせないかと、新しい発見を求めて、世界有数の高級温泉保養地であるドイツのバーデン・バーデン(Baden-Baden)に渡りました。

バーデン・バーデンでは、リゾートの部分だけではなく、ホテルを経営しながらも温泉を使ったお客様の健康づくりをおこなうプログラムがあり、そういった一連の滞在・温泉・食事・観光・健康づくりなどの仕組みを研究し、帰国してきたのです。

そして、日本の鹿教湯でもそのような「お客さんの健康づくりをお手伝いできるようなホテル」をつくりたいと考え、1993年に名称を斎藤旅館から斎藤ホテルへ刷新し、建物も12階建てとなり、温泉プールも建設しました。

今現在も続いている、滞在型・現代湯治の「心と体の健康づくり」という新しいチャレンジとコンセプトはこの時から始まったのです。

そんな先代のチャレンジに応えるべく、大学院で学者を目指していた私は、まだ27才でしたが斎藤ホテルに入社し、社員として14年間働きました。

もちろんフロントやサービスもやりましたし、厨房も手伝ったりもしました。
トレーニングルームでトレーナーもしましたし、二種の運転免許を取ってバスの運転手もしました。
お客様を乗せて観光地まで、もちろんご案内をしながらです。
懐かしいですね。今の斎藤ホテルツアーの原型です。

社内でチームを作り、自分達で場所を探し、企画をし、当日バスを運転し、すべてを運営していました。
そして帰ってきたらレポートにして、後日お客様に発送するのです。
現在も発行している冊子「おかえりなさいませ」の始まりですね。

このお客様との細かなコミュニケーションを何年も何年も続けていることが、斎藤ホテルにとって、現在もたくさんのお客様に支持されている理由の一つであると確信しています。

ところが、時代の移り変わりと共に10年以上経つと、良かった業績も山あり谷ありで、業績が振るわない時期が続きました。
鹿教湯温泉自体も人が少なくなり、変革が必要な時期がきていると感じていました。
どんな企業もそうですが、何もしないで良い時がずっと続くことはありません。
どこかで必ず変革が必要になってきます。

私は41才でしたが、社長になることを決意しました。

400年続く歴史を終わらせるわけにはいきませんし、鹿教湯をもっと元気にしたいと強く思っていました。
ただ、想いはありましたけど、色々な意味でプレッシャーでしたね。

社長を継いで、
みんなの可能性に
助けてもらう。

社長になってから、何か特別なことをしたというより、周りの皆さんにたくさん支えられたと思っています。

例えば、会社を継いだときに、資金繰りがタイトで「困ったな」と言っていたら、現場が「社長これ見てください」と言って毎日の資金の量が見えるシステムを作ってくれました。お願いしてないのに作ってくれたのです。

それからレストランも経費やメニューの見直しを試行錯誤してくれたり、みんな自分から率先して取り組んでくれました。

そんなみんなの期待に応えられるように、30日間毎日お客様と同じレストランメニューを全種類食べ続けてフィードバックをしたりしていました。
全種類食べると、とてもよく分かるんですよ。
レストランのそれぞれの味はおいしいのですが、メニューが重なるときがあります。
どのようなメニューかというと、例えば酸っぱいものなら酸っぱいものが続いたりとか。
それから肉が、和洋中のメニューで鶏、鶏、鶏と重なったりしてしまったりとか。
それから辛い物が重なってしまったりとか。
スタッフと共に、お客様の満足度を上げるのに一生懸命一つ一つ工夫しました。
他にもトイレ清掃を1年間ぐらい自分でしたり。

まだ色々やりましたが、徐々に業績を回復させることができたのは、きっとトップダウンとボトムアップのバランスが良かったことだと思います。

以前、こんなことがありました。
「おかえりなさいませ」というお客様向けの冊子の中に、手書きのお手紙を入れたらいいのでは、と若いスタッフ達が企画しました。
○○さんという女性のスタッフが、すごく個性的な文章を手書きで書いてきたんですね。
例えば「4人目の子どもが生まれたんです」みたいなことを。
今までの感じと違うことを書き始めたのですね。
すごくフレンドリーで個人的な感じで。

その時、私は「さすがにそれはまずいだろう」と思っていたのですが、いざ出してみると大ヒットだったのです。

私は思いました。
「私の感性はあてにならない」と。

例え、自分なら目を背けたくなるような企画や考え方であったとしても、可能性をつぶしてはいけない。
どんどんチャレンジするべきだと。
自分の感情や好き嫌いより、新しいことや自分の枠の外の可能性を取り込んでいくようにしていこうと。
自分の価値観だけで判断することのないようにと。

おかげさまで、とにかく「みんながやらないような新しいチャレンジや、新しいことをしていきましょう」ということを常々言っているので、会社はそのような体質になっていきました。

チャレンジについて。

斎藤ホテルの中で、新しいチャレンジというのは2つの軸があります。

一つは日々気づいたことや新しい試みや企画のチャレンジです。
こういった企画は現場でこそできますし、現場に任せたら上手くいきます。
例えば、ロビーコンサートなどはスタッフで組んだバンドやゲストなど招いて1,000回以上開催していますし、それこそ斎藤駕籠屋のツアーも毎回人気です。

もう一つは、資金調達をして設備投資するようなチャレンジです。
そういった事業を判断するのは私だと思っているので、基本のアイデアを幹部スタッフに投げてブラッシュアップさせていきます。

鹿教湯全体がちょっと、元気がなくなってきたな。
何か、鹿教湯が右肩下がりになるのを止めたいな。
という気持ちがあって、活性化するにはどうしたらいいか、ということを考えて最初に企画したのが、アップルパイをメインにした「さいとう菓子工房」でした。

今では大人気で、コロナ禍でも業績を伸ばした人気店ですが、最初に「アップルパイのお店をつくる」と会議で話した時は、誰一人として賛成しませんでしたね。(笑)
いきなり何を言っているんだと。

私の中では、市場とか世の中の変化とか、周りの環境だとか、全体の中で色々組み立てをしていて、お菓子屋という発想で何かほしいな、とかカフェだけだと回転が悪くて資金的に厳しいな、とかやっぱりなにか物を売った方がいいかな、とか自分の中で思考の積み重ねがあったのですけど、それを話さずに、いきなり「アップルパイのお店をつくる」とみんなに言ったら、それはきょとんとされてしまいますよね。
ちょっと説明不足だったなと反省したのを覚えています。

その後、社内のスタッフと社外の人を混ぜたチームをコーディネートして、一つ一つ形にしていきました。
もうほとんどスタッフを信頼してお任せしました。

それと、実はもう一つ新規事業を行う理由があります。
それは、社内で育ってきたスタッフが「活躍する場をつくりたい」という思いが強いからです。

実際にアップルパイの「さいとう菓子工房」の他に、健康食のお弁当配達「さいとう宅食便」や別所温泉の「南條旅館」、信州フレンチの「Restaurant溪」など、それぞれ育ってきたスタッフが、中心となって取り組んでいます。

中には面白いスタッフがいて、「社長になりたい」って入社してきた強者もいました。
全然何も考えてなかったと思うんですが、新入社員でまだ若くて何も分からなかったから「社長のようなのやりたいんです」って言ってたんです。

それを覚えていて、今では実際に「南條旅館」をやってもらっています。次期社長になるか分かりませんが、社長に近いですよね。
100%まではいきませんが、任せて自分でやっているわけですからね。

社長になって
決めたこと。

私が社長になって決めたことがあります。

商売の仕方はいろいろあると思いますが、例えば横展開。
うまくいったら違う地域で、同じものを。
パッケージにしたものを展開していくというやり方が一つ。
もう一つは縦展開といいますか、鹿教湯の中で縦に展開していくというやり方があるだろうなと考えました。

私は鹿教湯が好きで、400年続く鹿教湯で生まれた自分の役割があると考えていましたので、当然縦展開だろうな、というのを一つ決めました。

ですから「さいとう菓子工房」もそうですが、設備投資や新規事業をやるにしても鹿教湯というものを一つの軸にして、斎藤ホテルだけではなく鹿教湯そのものの立ち位置や活性化など、今後のブランドを見据えるような形で発展できたらいいと思っています。

まだ誰にも言っていなかったのですが、私個人の中で、人生目標があります。
それは、鹿教湯温泉を年間30万人訪れる場所にすること。
もっと賑わいのある地域を目指すことです。

過去の鹿教湯のピークは年間40万人でした。
40万人は来過ぎですが、年間30万人ぐらい来るところにしたいなと考えています。
もちろん湯治場ですから、来た人に健康になってもらうというところは基本的に変わりませんし、歓楽街ではないので、人が来れば良いというものでもありません。

ある程度の付加価値。もちろん質の良いものですね。
「質の良い」と言っても安い高いではなく、しっかりした質の良いものを提供して30万人来ていただくような温泉場にしたいなという思いがあります。

最近オープンした「Restaurant溪」のコンセプトでもありましたが、やはり付加価値が高いものを提供していきたいという思いがあります。
そして信州の良さ、というところも上手に表現していきたいですね。

現在の鹿教湯温泉は約10万人が訪れているので、あと20万人増やさないといけません。
ただ、具体的に何をやるといいのかというのは、正直分かりません。
それはみんなで考えてもらいたいですね(笑)考えつつ、みんなでやってもらいたいですね。
自分一人では何もできないので。

人生目標の中で65才までに、30万人できたらいいなという気持ちはありますけど、あと10年しかありませんね。
いそがしいですね。

「Restaurant溪」をつくるのに3年ぐらいかかったということは、あと10年でやれることはそれほど多くありません。自分のパワーだけでは足りないので、若い人たち、パワーのある人たちと一緒になってやっていけたらいいな、と願っています。

信州ブランドアワード2023「Restaurant溪」が、
NAGANO GOOD DESIGN部門で部門賞を受賞

そして最近、とても嬉しい出来事がありました。
それは、斎藤ホテルのスタッフを中心として立ち上げたプロジェクト「Restaurant溪」がブランドアワードを受賞したことです。 素晴らしいことですね。

みんなが、アイデアを出し合い、議論し、行動し、一つ一つ形にしていった努力を見ていて、とてもうれしかった期間でした。

Restaurant溪は「信州のおもてなし」というコンセプトを持っています。
長野県は農業大国ということもあり、信州産の野菜を使ったレストランというのは、それこそ信州の山の数ぐらいあります。

そこで斎藤ホテルが運営する意義や強みは何か考えたときに、出てきたのが「信州の食だけでなく文化も体験してもらう」「オール信州」「ジャストインタイム」「地域への恩返し」という考えでした。

信州産の食材を90%以上使用したフレンチコース料理を提供するのは、食材の手配、海の物をなるべく使用しないという、とてもハードルの高いチャレンジで、キッチンスタッフのみんなも、地元や様々な生産者さん、直売所などと密に連携をとって、新たなお料理を開発しようとがんばってくれています。

そして、料理を楽しんでいただくだけではなく、地元ワイナリーとの連携強化を進めて、信州の素晴らし自然と食を体感いただけるよう発信し、ガストロノミーツーリズムを地域の人々と一緒に進めていきたいと考えています。

MESSAGE 〜メッセージ〜
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色々な個性の方、
おまちしております。

最後に、どんな方に入社していただきたいか、お伝えいたします。

正直に言うと、能力よりも(もちろん能力も大事ですが)鹿教湯を好きになってくれる人が一番大切なことだと思っています。

斎藤ホテルもそうですが、鹿教湯の活性化に関わってもらえる方に働いていただきたい、という気持ちがとても強いです。

欲を言えば、鹿教湯の地元の人たちとネットワークをつくれる人がいたらいいですね。

そういったコミュニケーションを楽しめる人で、自分の居場所(鹿教湯が第2の故郷)をつくって、人生を楽しく面白くすることに興味がある人がいたら最高ですね。

そして、先程お話しした地域活性化の考えや、現代湯治の「心と体の健康づくり」という考えに共感してくれたらもっとうれしいです。

そして、みなさんの人生設計や、やってみたいことなど、是非お聞かせくださいね。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。
少しでも、みなさんのお役に立てれば幸いです。

みなさんにお会いするのを楽しみにしています。

MESSAGE 〜メッセージ〜

代表取締役社長 斎藤宗治

学生時代は、カヌースラロームの学生チャンピオン。 趣味は、スキー、最近始めたスノーボード、マラソン、50才になるときに新しいことを始めたいと思いトライアスロンに挑戦。 他にも、登山、マウンテンバイク、カヤック、海釣り、渓流ルアー釣りなど。

VOICE〜働く人たち〜

VOICEVOICEVOICEVOICE

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